相続の基本③

遺言は、相続が発生した時に分割をスムーズに行えるため、事前に作成しておきましょう。

遺言は、本人の意思として、法定相続分より優先されるものの、無制限ではなく、遺留分（相続人が最低限保障されている取り分）があるのには注意しましょう。またこんな人は特に事前に作成しておくことをおすすめします。

①子供がいないので、配偶者に全額を残したい。

②子ども同士の関係が良くない。

③お世話になった方がいるので、相続人以外の方に財産を渡したい

遺言の詳細は別途記事にまとめていきます。

生前贈与の基本は、

①早めに贈与を始める。

相続人がなくなる前3年以内に行った贈与は、相続財産に加えることになってしまう。

⇒暦年課税（年間110万円以下なら、贈与税がかからない）をうまく活用しましょう。

10年毎年110万円であれば、合計1,100万円を非課税で贈与できますが、

一括で1,100万円だと、207万円も贈与税がかかります。

またお孫さんへの教育資金やマイホームの資金贈与、贈与時の配偶者控除など、

生前に活用できる制度もあります。

②贈与の証拠を残す。

現金の贈与は、実態がわからないため、銀行振込で記帳や、贈与契約書を作成しておくなど、

「誰が見てもわかる」ようにしておくことが重要です。

③贈与の実態をお互いに把握しておく。

贈与には、相手の承諾や管理能力が必要であるため、相手が小学生以下などは認められません。

親がこっそり子供の名義でお金を積み立てているケースや、贈与者が印鑑、通帳などを管理している場合も

注意が必要です。

相続財産は、自宅の不動産しかないというケースも多く、その場合公平に分けるのは難しいですよね。

自宅を相続する場合には、

①特定の相続人が一括で相続して、他の相続人に、現金やその他の財産を渡す。（代償分割）

②不動産の権利を持ち分（相続割合）で共有する。（権利関係が複雑になる）

③不動産を売却して、その代金を分割する。（換価分割）（全員の合意が必要）

といった3パターンがあるものの、トラブルの火種が潜んでいます。

そのため、やはり事前に遺言で意思を表示しておくことが大切です。

①結婚20年以上でマイホーム贈与なら、2000万まで非課税（おしどり夫婦控除）

②マイホーム購入の資金贈与なら、1000万まで非課税（住宅取得資金の贈与の特例）

③孫への教育資金贈与なら、1500万まで非課税（教育資金一括贈与の非課税特例）

④養子縁組を活用して、相続人の数を増やし、基礎控除を増やす

⑤生命保険に加入する。（年齢、健康状態により、加入制限もあるので早めに対策必須）